X世代、Y世代、Z世代、ミレニアル世代……これらの呼称は欧米で生まれ、日本でもマーケティング用語として使われてはきたが、「Z世代」以前は一般には浸透していなかった。
日本には「バブル世代」「氷河期世代」「ゆとり世代」といった日本独自の経済環境や教育制度を背景とする世代のくくり方が存在し、多くの人にとってそっちの方がしっくり来るからだろう。
中国も同様だ。改革開放前に生まれ貧しい中で必死に働いてきた「70後(70年代生まれ)」、一人っ子政策下で生まれ“新人類”といわれた「80後(80年代生まれ」、社会が急激に豊かになる時代に両親の期待を一身に背負い育った「90後(90年代生まれ)」という分け方が定着している。
しかし「Z世代」だけは、日本と中国の両国で比較的広く使われている。その理由はZ世代の「物心がついたときからインターネットがあり、買い物やコミュニケーションの中心にデジタル技術が存在する」という特性にあるのだろう。
果実酒メーカーのMiss Berryが写真SNS「小紅書(RED)」で開設するアカウントでは、「仕事で追い込まれて余裕がない私に、女友達が差し入れしてくれた」などの文言とともに、緑豊かな自然を背景にした商品写真が投稿されるなど、Z世代への積極的なマーケティングが行われているZ世代は「SNSの情報を元に商品を購入する」「マスメディアに頼らずとも動画配信などによって有名になれる」など同じカルチャーを共有しており、インターネットを介して情報が瞬時に伝わるためトレンドの差も小さくなっている。
日米のZ世代に絶大な人気を誇る動画共有アプリ「TikTok」の運営企業は中国のバイトダンスであり、日中韓の動画サイトでは同じようなオーディション番組が制作され、K-POPアイドルは隣国の日中だけでなく、東南アジアや米国でも高い人気がある。
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