「中国製気にしない」「SNSで探しECで買う」Z世代消費の“傾向と対策”浦上早苗「中国式ニューエコノミー」(4/5 ページ)

» 2022年01月06日 07時00分 公開
[浦上早苗ITmedia]

 Z世代にフォーカスして成功している中国の代表的な2社を紹介したい。

 1社は果実酒メーカーのMiss Berryだ。19年の設立時から「アルコールの空白市場」とされていた若い女性にターゲットを絞り、アリババと二人三脚でEC市場を開拓。わずか1年で果実酒カテゴリーの販売トップに立ち、今では現地のセブン-イレブン、ローソン、ファミリーマートなど著名小売店に販路を広げている。

 家飲み、イベント飲みと場面や気分によって飲み分けられる多様なフレーバーを展開し、購入者の8割は18歳〜30歳の女性だ。ターゲットは女性だが、設立1年間で1億元(約17億円)以上を調達した実績からビジネス的にはVCや経済界の関心が高い。

 もう1社はプチプラコスメの完美日記(PERFECT DIARY)。17年に最初の商品を発売した完美日記は、19年のアリババのセール「ダブルイレブン」において中国ブランドとして初めてコスメカテゴリーの売り上げトップに立った。運営する逸仙電商(Yatsen)は20年11月にニューヨーク証券取引所に上場。日本でも最近中国コスメブームが起きているが、その火付け役でもある。

プチプラコスメのPERFECT DIARYは日本語サイトも展開しており、日本からの購入も可能。日本語のTwitterアカウントもある

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