(3)の「親は子どもに使ってもらいたいと思うのか」は、どうだったのだろうか。親が「うん、これは子どもに使わせたいモノだ」と太鼓判を押さないと、このデバイスの普及は難しくなる。というわけで、親の“顔色”が気になるわけだ。
ちょっと話が変わるが、絵本イベントの場で、開発メンバーはPCの画面を見つめていた。子どもたちが何をのぞいているのかを分析していたのだ。「あ、また、ヒヨコが出てきたよ」「今後は、カスミソウか(涙)」といった会話をしているときに、ある親がこのようなことを言ってきた。「子どもが何を見ているのかが分かるのですね。その情報って、親も知りたいです」と。
この言葉を聞いたとき、開発メンバーの間で「これだ!」とザワついた。子どもがどんなモノを撮影したのか。そのデータを親にも共有することができれば、ウケるのではないかと考え、専用アプリの開発に動いた。
で、完成したアプリで、どんな情報を提供しているのだろうか。子どもがどんなモノに興味を持っているのかをランキング形式で表示していて、例えば、1位「動物」(30%)、2位「花」(15%)といった形で分かるようにした。また、「いまのマイブームは電車」「急上昇! 『食べ物』に興味がでてきたようです」といった情報も見れるようにした。
子どもはどんなことに興味を持っているのか?――。気になっている親は多いと思うが、小さな子どもに聞いても、うまくコミュニケーションがとれないことがある。じゃあ、子どもが何かに集中しているときに聞けばいいのかといえば、そういうわけにもいかない。「いま、何に夢中になっているの? 教えて、教えて」といった会話を何度もするわけにはいかない。親の目が届かないところで、子どもはどんなことに夢中になっているのか。そうした情報を知りたいときに、このデバイスは役に立ちそうである。
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