五輪終了後も不安が残る「中国リスク」 どうすればいいのか?世界を読み解くニュース・サロン(1/5 ページ)

» 2022年02月24日 08時00分 公開
[山田敏弘ITmedia]

 2022年2月17日、松野博一官房長官は記者会見でこんな発言をした。

 「今月7日に、中国当局より北京の日本大使館に対し、当該邦人が北京市内の病院に搬送され、病気のため死亡した旨、通報があった」

 NHKの記事によれば、この「当該邦人」は「2015年にスパイ行為に関わったとして北京で拘束され、その後、懲役12年の判決が確定し、服役中だった北海道出身の70代の男性」であり、21年から体調を崩していたという。

 加えて、21年12月に上海で50代の邦人男性が中国の国内法違反があったとして拘束されており、日本政府が邦人保護の観点から中国側に働きかけていることも判明している。

 このニュースは、かつては「平和の祭典」とも呼ばれた五輪の真っ只中に報じられている。しかも五輪をめぐっては、中国当局が選手や関係者などにインストールを求めた公式アプリが、「監視に使われる」とのニュースが広く報じられた直後のことだった。

中国とビジネスで関わっていく際に起きうる「中国リスク」とは

 この一連のニュースを受け、中国に対する「不安」が高まっているようだ。それはビジネスパーソンにも顕著で、都内のあるセキュリティ会社幹部は「企業から、五輪公式アプリから今後の当局の監視などについて何件も問い合わせがきている」と述べていた。

 五輪が終わった現在、中国とビジネスで関わっていく際に起きうる「中国リスク」は何が考えられるのか。何を注意すべきか考察してみたい。

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