まず五輪アプリ「MY2022」から見ていく。同アプリは、カナダのトロント大学 ムンク国際問題・公共政策研究所が独自の調査をし、その危険性に警鐘を鳴らした。通信の暗号化が十分になされておらず、情報が吸い取られてしまうという。米国や英国、オランダ、ベルギーなどもこのアプリを使わないよう選手にアドバイスをしている。
ただ大会期間中に、中国当局が競技に向けて各選手がどんな作戦を行っているのかといった情報を監視することは考えにくかった。そんなことでミソがつくのは、世界で史上初めて夏と春の五輪を開催して歴史に刻まれるのが念願の1つでもあったとされる習近平国家主席が許さないはずだ。
それよりも心配なのは大会後だ。参加者が帰国した後、呑気に「公式アプリを削除したから大丈夫」という話では済まないからだ。デバイスが既にマルウェア(不正な悪意あるプログラム)に感染している可能性もある。
というのも、五輪などの大きなイベントでは関係者などのセキュリティへの警戒心が低くなる。慣れない環境でのデバイスの設定などはイライラすることもある。そんな中、五輪そのものや新型コロナ関連、さらにアプリにかかわるメッセージやメールなどが来れば、受け取って開封・実行してしまうのは仕方がないとも言える。
だがハッカーなど攻撃者は、そうした油断を突いて攻撃を実施する。
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