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後発Web会議システムの「パルケ」 業界に地殻変動を起こすか後発サブスク企業の生き残り方(5/5 ページ)

» 2022年03月23日 05時00分 公開
[武田信晃ITmedia]
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ツールを知ってもらうことが課題

 以上が鎌田社長へのインタビュー内容だ。

 後発と呼ばれる企業は、一般的に、先発企業にすでにシェアを握られている中で参入しなければならない不利な状況に置かれている。そこから下克上を果たすには既存のサービスとの差別化がマストだ。

 ユーザーがサブスクという一定期間に定額の利用料を支払ってまで利用することに意味を感じるためは、何よりもそのサービスが魅力でなければならない。「サブスク=常連客の獲得」といっていい。事業者側にとっては収益の計算がしやすいビジネス的なメリットもある。

 一方で、ユーザーは必要がないと思ったら簡単にサブスクを止められる状況にもある。これはつまり、事業者側は魅力的なサービスを提供し続け、顧客との良い関係を維持する必要性に迫られているということだ。さもなければ先発企業であっても後発にあっさりと乗り換えられるリスクを負う。

 パルケは、議事録に使えるメモ機能、翻訳機能、顔を小さく表示することやカラーフィルターなど他にはないユニークな機能を備えている。都市部ではなく地方をターゲットにした戦略も明快だ。市場をいかにして攻略すべきかを的確に分析した賢い経営判断だと思われる。

 鎌田社長が示した自社の強みと弱みの把握と、冷静な市場分析は、後発企業にとっては多いに参考になる考え方だろう。

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