そんな強みが「500e」にはありますから、スペックは別段に、飛びぬけている必要がありません。ライバルと同等で十分です。
実際に日本で発売される、同じようなコンパクトサイズのEVのスペックは以下のようになります。日産「リーフ」は、40kWhの電池を搭載して、価格は約330万〜420万円。62kWh搭載のグレードは約440万〜500万円。「ホンダe」は、35.5kWhで450万〜495万円。プジョー の「e-208e」は50kWhで約426万〜465万円。これらに対して「500e」は、42kWhで450万〜495万円。同じような電池の大きさで価格も近く、なかなか良い線をいっているのではないでしょうか。
つまり、ライバルと同じようなコスパに収まっていれば、「500e」のデザインの良さで、一定数のファンを引き付けることができるはず。実際に欧州市場で「500e」は、コンパクトEVセグメントでナンバー1のセールスを記録しているというのです。そして、日本ではエンジン車である「500」がいまだに過去最高のセールスを更新中。まだまだ「500」のデザイン力は、効果を発揮しているのです。
そういう意味で「500e」の日本における販売は、それなりに期待できそうです。そして、街中を走る「500e」が増えれば増えるほど、新たな顧客を生み出す。しかも、長い期間にわたって売れ続けるのが「500」ファミリーの特徴です。優れたデザインというのは、製品にとてつもなく大きなアドバンテージを与えてくれる。それを証明するのが「500」ファミリーであり、新型EV「500e」なのです。
1966年9月生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレース(マツダ・ロードスター・パーティレース)に参戦。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを“分かりやすく“深く”説明することをモットーにする。
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