成長著しいスタートアップは、他業界からも多くの人材を引き寄せ、転職先としてSaaS企業に対するへの関心も高まりつつある。
バーティカルSaaSといった用語も一般ビジネスパーソンにも徐々に認知が広がりつつあるが、「専門領域の知識が必要では」といった懸念を持つ方も少なくない。
それに対し、MCデータプラス飯田氏は「バーティカル領域で重要なのは徹底した顧客理解であり、その姿勢をもっていれば知識の有無は問題ではない。加えて、既存の業界をデジタル、DX化する能力が求められる」とあくまで当該業界の出身者である必要はないと言う。
またカケハシ中川氏も「薬剤師出身のメンバーも多く、社内で業界理解を深められる環境がある。また当社では“高齢化”や“医療費高騰”といった公共セクターに近い課題をビジネス観点から取り組める点にやりがいを見出す人が多い。ザ・モデルの組織をどの企業よりも強力に構築するなど、一般的な人材市場において価値のある能力を身に着けることができる」と、“ロマンとそろばん”を兼ね備えたキャリア形成が可能であると強調する。
門外漢であってもバーティカルSaaS企業に挑戦するビジネスパーソンは増え始めているようだ。
22年現在、上場SaaS企業の時価総額は、20年と比べて半値を下回る水準で推移する企業も多く見られる。
この影響は、未上場企業の資金調達環境にも影響を与えている。「昨年までと投資家の意欲が180度変わり、思っていた金額を調達できなくなった」(シリーズB SaaSスタートアップCOO)といった声も聞かれるなど、スタートアップにとっては厳しい局面が続いている。
一方、両氏へのインタビューの中では「過去を振り返っても、リーマンショックやネットバブル崩壊を乗り越えた企業はその後大きな発展を遂げている。企業価値が低いということはM&A機会も増え、必ずしもネガティブでない」(中川氏)と、あくまで本質的なサービス価値を高めることにフォーカスしている様子も伺えた。
取材を行っていく中で、普段私たちが知ることがない業界内でも日々デジタル化・業務効率化が進んでいることが見えてくる。
カケハシ、MCデータプラスを始めとするバーティカルSaaS企業は、着実に業界を変えつつある。
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