動画投稿サイト「ニコニコ動画」などを運営するドワンゴは、大型展示会「ニコニコ超会議」(超会議)を4月29日(金祝)と30日(土)に幕張メッセでリアル開催する。
超会議は2012年から毎年4月末に幕張メッセで開く、「ニコニコ動画」をテーマにした参加型イベントだ。新型コロナウイルスの影響で20年と21年は会場開催を取りやめ、オンライン開催のみとしていた。22年は、3年ぶりの実地での開催となる。
この3年ぶりの晴れ舞台を飾るのが、北海道大樹町にあるインターステラテクノロジズ(IST)だ。ISTはホリエモンこと堀江貴文氏が取締役ファウンダーを務める宇宙ベンチャーで、超会議では「超宇宙開発 POWERED BY ホリエモン」と題したブースを初出展する。
21年7月に宇宙空間に到達した観測ロケット「ねじのロケット(MOMO7号機)」と同型の実機に乗れる体験コーナーをはじめ、18年に炎上した「MOMO2号機」、MOMOの次世代機として開発を本格化させている超小型人工衛星打上げロケット「ZERO」の実物大バルーンなどを展示する予定だ。他にも、宇宙工学に関心ある学生や社会人に向け、技術者を招いたトークセッションも開く。
超会議を主催するドワンゴを率いるのは、NTTドコモが運営していた「i-mode」の生みの親とされる夏野剛社長だ。夏野氏は、親会社であるKADOKAWAの社長も兼ねる。
超会議の開催を前に都内のIST本社で、堀江氏と夏野剛社長が対談した。超会議に向けた意気込みを語ったほか、今後民間の宇宙開発が広がることで起こり得る「ニュースペース2.0」の世界について話題が及んだ。
堀江: ロケットは、思っている以上にLinux的な広がり方をすると思います。いまみんなが考えている宇宙の利用方法は非常に限定的じゃないですか。これから変わりますよ。僕が思うに、スターリンクなどの動きは「ニュースペース1.0」的な動きだと思うんですよ。これがすぐ、2.0の世界になっていきます。
夏野: コストが下がれば絵が変わるってやつですよね。
堀江: というのと、今やっぱりわれわれが考えている革新的な衛星のシステムは、相当変わりますね。簡単にいうとピンポン玉サイズのアンテナ素子と電磁石でその間を保ちながら、例えばでっかい望遠鏡を作ったりできるわけです。いまジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の準備が進んでいますが、あれと同じような感じです。
人間の細胞みたいに、こうした小さなものが大量に打ち上がることで、いろいろなことができるようになります。そういうものを僕は2.0の世界だと思っていて、2.0の世界は本当に今のスマホが出てきたようなインターネットの世界に近づくと思いますね。そうなってくると、面白いことを考える人たちが増えてくると思うんですよ。
夏野: コモディティになるということですからね。
堀江: 宇宙がコモディティになって、誰もが宇宙を簡単に使える世界がもうすぐくる。そうするとフェーズが変わると思います。でも、米国ってやっぱりすごい国だと思います。
夏野: 米国は戦略的にそれをやっているんじゃなくて、戦略的にそういうものが生まれてくるようにしています。
堀江: うん。仕組みを作っているんですよね。
夏野: そこなんですよね。「いやあ勝てないな」と思っているうちに本当に勝てなくなっちゃった。だって一時期は、一人あたりGDPだって全部、米国より上だったんです。1995年ぐらいまでは。そこから「だだ下がり」なんです。
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