これらのデータを読んで、共感、納得、理解、懐疑、否定など、さまざまな受け止め方があると思います。その違いが生ずるのは、まさしく年代による価値観や考え方の相違によるものであり、ジェネレーションギャップそのものといえます。
日本の高度経済成長、バブル崩壊、失われた20年、リーマンショック、日本経済の停滞など人生の各時期をどの時代とともに生きたかによって、知識や価値観は異なってきます。ジェネレーションギャップはいつの時代でも存在するものでしょう。
1976年に創刊された雑誌『ポパイ』。当時の流行に敏感だった男性を対象にした雑誌であり、当時のおしゃれの情報源でした。
ソニー創設者で有名な盛田社長はポパイの愛読者だったといいます。創刊当時、盛田社長は55歳。まさに若者に対してジェネレーションギャップを感じる年頃。ポパイを愛読した理由は、積極的に若者の感性や考え方、そして価値観をキャッチするためだったといわれています。
つまりジェネレーションギャップを感じたら迷うだけではなく、積極的に若者を知ろうという姿勢があったわけです。それがあったからこそ、当時のウォークマンなどのヒット商品を世に出せたのかもしれません。
「新入社員にどのように接するか」「ジェネレーションギャップの障壁をいかに小さくするか」、万人に共通する解決策は存在しないでしょう。しかし、適切なコミュニケーションや関わり方を探る努力は必要です。
先述の「新入社員意識調査」によると、21年の新入社員が仕事をする上で重視したいことの上位3位は「貢献」(31.3%)、「成長」(29.9%)、「やりがい」(20.7%)でした。プライベート重視型や若いうちの苦労を敬遠する傾向は見られるものの、仕事に対して期待感ややる気を持っていることがうかがえます。
SNSでは立場に関係なく個人が意見を発信し、誰でも自由に閲覧することができます。自分が知らない若年層の価値観や考え方、話題を取り入れ、それをきっかけに会話をしてみてもいいかもしれません。相手を理解する姿勢を示すことがジェネレーションギャップを超えた関係構築につながる一つの方法だと考えます。
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