サイゼリヤがコロナ前をはるかに上回る利益水準になった理由NEW! 妄想する決算「決算書で分かる日本経済」(6/7 ページ)

» 2022年05月10日 07時00分 公開
[妄想する決算ITmedia]

サイゼリヤの店舗はほとんどが関東

 また、店舗数の推移を見てみると総店舗数は前期比で8店舗増加して1556店舗となっていますが、その内訳を見ると国内が計16店舗減、海外店舗は24店舗増と、増えていたのは海外店舗です。

 日本市場はもちろん人口自体も減少の縮小市場ですから、そういった中で中国を中心に海外での成長戦略というのを考えているということが分かります。

サイゼリヤの店舗はほとんどが関東

 ちなみにサイゼリヤの店舗展開としては関東が57%と大半を占めていて、そのほかにも大阪や兵庫、福岡といった都市部の店舗が中心です。国内市場でも、特に地方部では未出店の地域や店舗数が少ない地域は結構ありますから、国内でも出店余地はありそうですが、国内での拡大は考えていないわけです。

 それがなぜかというと、高齢化が進む地方部ではサイゼリヤのようなイタリアンは、食事として「重い」と感じる方が増えていくからでしょう。となると実際の人口の減少速度以上の早さで、サイゼリヤの市場は縮小していくことが考えられます。

 そのため、国内の地方部の市場では拡大しないという選択をしているのでしょう。

 となると成長可能性は中国市場に依存する形になりそうですので、中国の動向がより重要になります。最近では中国の政治的なリスクの高まりも危惧されていますから、どういった成長戦略を進めていくのかには注目です。

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