また円安の影響や資源高、物流コストの増加などで原料高や物価上昇が進んでいるわけですが、そういった影響はどのように出ているのでしょうか。
国内のサイゼリヤの原価を見てみると、為替の悪影響が2.8億円あったとしています。しかし、メニューミックスの好影響が6.2億円ほどあり、その影響を相殺しています。
メニューミックスによる好影響というのが何なのかというと、利益率の高い商品が売れたので粗利率が上がったよという話です。
飲食店のメニューというのは全て利益率が同じということはなくて、高利益率の商品もあれば低利益率の商品もあります。例えば100円均一の回転ずしなどが分かりやすいですが、まぐろやウニ、いくらといった商品は原価率が高く6割以上ということもありますが、タマゴやツナ、かっぱ巻きなどはその半分以下の原価だったりします。子供が好きなメニューの原価率は低い傾向にあるので、回転寿司はファミリー向けになっているワケです。
そんな感じで、回転寿司でいうところのタマゴやかっぱ巻きのような高利益率の商品が、サイゼリヤでもよく売れたよということで粗利面の好影響があったということです。
また、コロナ禍で客単価は3期連続で増加しています。
サイゼリヤが値上げをしたことや、コロナの影響で注文は少なめでドリンクバーだけでおしゃべりといった使い方が減って、しっかり食事をとりに来ている顧客が増えたということもあるでしょう。しかし根本的には、販売戦略がうまくいっていて客単価や粗利率が増加していると考えられます。
円安が大きく進んだのは、この決算発表後の3月以降ですから、為替の影響による国内の原価上昇は、今後さらに進んでいき悪影響は大きくなっていくわけですが、原価上昇の悪影響をどの程度相殺できるのかは注目です。
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