NAVの中心となるソフトバンク・ビジョンファンドの損益は、21年10〜12月期に6兆406億円の利益であったものが、22年1〜3月期には3兆473億円と利益が半減した。「ロシアによるウクライナ侵攻で、株式市場が大きく下落しています。その影響をわれわれのビジョンファンドでも大きく受けました」と孫会長兼社長は説明した。
地域別に見ると、特に中国市場が落ち込み、赤字化している。
これに対し、「中国での新規投資のリスクは、慎重に検討しなくてはなりません」「素晴らしい会社がまだあるのでそちらには投資をするが、小さな案件になります」と守りの姿勢を見せた。
続けてグループ全体のNAVの過去からの推移を説明し、直近で減少しているものの「まだまだ十分な時価純資産を持っています」とアピール。
その内訳を見ると、全体のうちで中国アリババ(Alibaba)が占める割合が最大の59%から22%まで低下している。「アリババリスク、言い換えるとチャイナリスクは、軽減されました」と孫会長兼社長は話す。
さらに、「アリババ一辺倒に頼っていたNAVを、その他の部分に分散できたと見ています。どこか一つの会社・国のアセットに依存している状態ではなくなっています」と続けた。
また、孫会長兼社長はLTVについても「安全運転を意識して、実行してきました。その結果、悪化ではなく改善しました」と説明。3年以上続けて25%以下で推移しており、21年10〜12月期に22%であったものが、22年1〜3月期には20.4%と、純負債の割合を減らしたことをアピールした。
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