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» 2022年05月14日 05時00分 公開

一度は廃れた「焼き芋」がなぜブーム? ドンキは通年販売、コンビニ3社は“冷やし”を提案長浜淳之介のトレンドアンテナ(1/6 ページ)

一度は廃れた「焼き芋」がブームになっている。ドンキやマルエツでは通年販売しており、コンビニ大手も冷やし焼き芋を提案する。専門店も増えており、関連するイベントも盛り上がっている。

[長浜淳之介,ITmedia]

 焼き芋が年間商品化している。大手コンビニ3社がそろって、冷やし焼き芋を販売。焼き芋を冷やして食べる文化が一気に広がり、定着する勢いだ。

 焼き芋専門店も急増している。コロナ禍に入って以降、巣ごもり消費や健康志向によって、焼き芋のニーズが膨らんでいるから増えているという説もある。

通年販売するようになったドンキの焼き芋(提供:PPIH)

 都内では5月7日、三軒茶屋に神戸から進出した「志のもと」がオープン。また、同月28日には高円寺において、四国・松山発祥の「芋ぴっぴ。」がオープンする予定だ。このように、地方の勢いのある焼き芋専門店が、商圏の大きい東京に攻め入り、チェーン拡大を狙ってきている。

 食品スーパーなどでは、焼き芋を焼く電気式オーブンを年間を通して設置する店が増えている。首都圏ならば、マルエツ、ドン・キホーテなどといったチェーンが、積極的に電気式焼き芋オーブンを導入して、焼き芋ブームの形成に大きな役割を果たしている。そのため、かつては冬の商品だった焼き芋が、季節に関係なく売れるようになった。

志のもとの店舗(出所:リリース)
志のもとの蜜芋ソフトクリーム。焼き芋をミルクアイスに練り込んでいる(出所:リリース)

 「安納いも」「紅はるか」のように、原料のサツマイモがブランド化されてきたのが、最近の大きな変化だ。かつては、どこでどんな品種がとれても、単にサツマイモでしかなかった。しかし今は、焼き芋専門店に行くと、幾つもの品種が並んで売られている。

安納いも(出所:安納いもブランド化推進本部公式Webサイト)
紅はるか(出所:農研機構公式Webサイト)

 マルエツやドン・キホーテでも、どの品種を使っているかが明記されている。

 かつて、昭和の高度成長期に町の中を巡回していた石焼き芋の販売車は、日本における冬の風物詩だった。寒い冬に、ホクホクの焼き芋をおいしいと感じる人は多かったが、1980年代以降はあまり見られなくなった。

 石焼き芋は冬しか売れなかったので、冬に耕作ができない農家が副業として取り組むケースが多かったともいわれる。

 一度は廃れた焼き芋がなぜ復活し、しかも年間商品となって売り上げが拡大しているのか。研究してみた。

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