焼き芋が年間商品化している。大手コンビニ3社がそろって、冷やし焼き芋を販売。焼き芋を冷やして食べる文化が一気に広がり、定着する勢いだ。
焼き芋専門店も急増している。コロナ禍に入って以降、巣ごもり消費や健康志向によって、焼き芋のニーズが膨らんでいるから増えているという説もある。
都内では5月7日、三軒茶屋に神戸から進出した「志のもと」がオープン。また、同月28日には高円寺において、四国・松山発祥の「芋ぴっぴ。」がオープンする予定だ。このように、地方の勢いのある焼き芋専門店が、商圏の大きい東京に攻め入り、チェーン拡大を狙ってきている。
食品スーパーなどでは、焼き芋を焼く電気式オーブンを年間を通して設置する店が増えている。首都圏ならば、マルエツ、ドン・キホーテなどといったチェーンが、積極的に電気式焼き芋オーブンを導入して、焼き芋ブームの形成に大きな役割を果たしている。そのため、かつては冬の商品だった焼き芋が、季節に関係なく売れるようになった。
「安納いも」「紅はるか」のように、原料のサツマイモがブランド化されてきたのが、最近の大きな変化だ。かつては、どこでどんな品種がとれても、単にサツマイモでしかなかった。しかし今は、焼き芋専門店に行くと、幾つもの品種が並んで売られている。
マルエツやドン・キホーテでも、どの品種を使っているかが明記されている。
かつて、昭和の高度成長期に町の中を巡回していた石焼き芋の販売車は、日本における冬の風物詩だった。寒い冬に、ホクホクの焼き芋をおいしいと感じる人は多かったが、1980年代以降はあまり見られなくなった。
石焼き芋は冬しか売れなかったので、冬に耕作ができない農家が副業として取り組むケースが多かったともいわれる。
一度は廃れた焼き芋がなぜ復活し、しかも年間商品となって売り上げが拡大しているのか。研究してみた。
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