コロナ禍を契機にリモートワークやフレックスタイムなど自由度の高い働き方を経験した人が増加し、ウィズコロナ時代でも自由度の高い働き方に対するニーズはますます高まっていくと予想される。社員の働きがいの向上や人材獲得の面でも重要なファクターとなりつつある。
今後、裁量労働制の導入を考えている企業は、一足飛びに導入するよりも、まずはコアなしフレックスタイム(月間フレックスタイム)を導入するのが良いだろう。その中で的確な労働時間管理の下で社員の自律的な仕事の進め方などセルフマネジメント能力を養い、そのうえで裁量労働制の対象社員を限定して導入し、徐々に適用対象者を増やしていくのがうまく進める方法の一つだ。
その際に何よりも重要なのが仕事量や仕事の進め方など裁量性について上司と認識を一致させることである。人事部もそうした点に留意した運用を心掛けるべきだろう。
溝上憲文(みぞうえ のりふみ)
ジャーナリスト。1958年生まれ。明治大学政治経済学部卒業。月刊誌、週刊誌記者などを経て独立。新聞、雑誌などで経営、人事、雇用、賃金、年金問題を中心テーマとして活躍。『非情の常時リストラ』で日本労働ペンクラブ賞受賞。
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