楽天モバイルはその割合を明らかにしていないが、決算会見で示されたグラフから、加入時に設定されている無料キャンペーンの対象ユーザーだけで、2022年3月末時点では少なくとも14%程度、無課金のユーザーがいたと推測できる。
MVNOも合わせての数字だが、3月時点の楽天モバイルの契約数は568万回線。単純にその14%として計算しても、約80万回線だ。無料キャンペーン終了後も、1Gバイト未満で0円の利用を続けているユーザーを含めると、一体どのくらいの規模になるのか。
新プラン移行を機に乗り換えを検討するユーザーを獲得しようと、他キャリアが早くも争奪戦の様相を呈しているのも頷(うなず)ける。
無料キャンペーン期間の終了に伴い、課金対象ユーザーが増加することを説明。グラフが正確なら、22年3月末時点では14%程度が無課金だったことになる(出典:楽天グループ、22年度第1四半期決算説明会、CEOグループ戦略プレゼンテーション資料)中でも楽天モバイルの新プラン発表後、一時申込みが集中して手続きに遅延が発生するなど、ユーザーが殺到しているとみられるのが、KDDIのオンライン専用プラン「povo2.0」だ。
同プランは使いたいときに使いたいデータ量、通話プランを「トッピング」として購入する仕組み。トッピングがなければ通信速度は128kbpsとなるものの、楽天モバイルと同様に基本料0円から契約ができる。
そもそも、楽天モバイルが0円を廃止するに至った背景には、同社の苦しい懐事情がある。
設備投資が膨らんでいるほか、自前のネットワークでカバーできないところはKDDIのネットワークをローミング利用する形でエリアを構築しているため、1Gバイト未満であろうとローミングでの接続が発生すれば、KDDIへの支払いが発生する。
楽天グループの三木谷浩史社長が、決算会見で思わず漏らした「0円でずっと使われても困る」という言葉が、すべてを表していると言っていい。ではpovo2.0は大丈夫なのか。KDDIの高橋誠社長は、決算会見で「povoの0円と楽天さんの0円では意味合いが違う」「今のところ(0円を)やめる理屈がない」と回答している。
楽天モバイルはなぜ「0円廃止」に追い込まれたのか?
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