【新潮流】SaaS×Fintechを理解するための3つのポイント(4/5 ページ)
このような顧客の業務プロセス中のお金にまつわるSaaSに加え、「広義SaaS×Fintech」ともいえる、トレンドが勃興している点にも注目をしたい。
以下のカオスマップは米国Sapphire Ventures.がまとめた「Finance Tech Stack」のスタートアップ企業だ。
これらは主に企業のCFOや経営企画部門の意思決定を支えるプロダクトを提供する企業であり、法人向けカードのブレックス(Brex)やランプ(Ramp)などが代表とされている。
これらの企業は米国を中心に急速に成長を遂げており、ニューヨークを拠点とするランプは19年に設立後、22年3月の資金調達では81億ドル(約1兆円)の企業価値をつけている。
「これまで企業のCMO(Chief Marketing Office)をエンパワーするようなSaaSは数多く登場をしてきました。例えば、CRMやMAツールを用いれば見込み客の獲得状況や広告の測定効果は即時に把握できます。一方でCFOは決算後に何営業日かかっても精緻な経営数値を把握できないことがありました。このような状態に対し、武器を提供するスタートアップが増えてきたのです」(久保田氏)
日本国内においても、今なお、Excelによる予算・実績数値管理や、事業部制ごとの数値管理を統合するプロセスにおいて、CFOや経営企画、経理部門が多くの集計時間を要している。
国内のスタートアップとしては予算などの経営管理業務を効率化する「Loglass」や法人向けカードを提供する「Upsider」などが、資金調達環境が厳しくなった22年に入っても、大型の資金調達を行うなど、盛り上がりをみせている。
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