「ポケモン」は10兆円産業! GAFAや集英社がゲームビジネスに注目する3つの理由経団連も注目(3/4 ページ)

» 2022年06月11日 07時00分 公開

日本の「ソフトパワー」の代表格になったポケモン

 3つ目の理由は、ユーザーの好感度をつかめることです。映像作品でも同様の効果はありますが、ゲームはプレーヤーが主導的に動かせるコンテンツのため、繰り返し遊ぶ人もいて、それがコンテンツの強固な愛着につながります。同時に海外展開をする場合は、自国の文化で相手を魅了する「ソフトパワー」の効果も期待できます。

photo 「ソフトパワー」を提唱した米国人研究家ジョセフ・ナイ氏の著書「ソフト・パワー」(出典:Amazon.co.jp)

 その最たる事例が「ポケットモンスター」(通称ポケモン)といえるでしょう。電通が16年4月に世界20カ国・地域で実施した「ジャパンブランド調査2016」のキャラクター認知度調査によると、ポケモンは「ハローキティ」「ドラえもん」などを抑えて、1位(認知度65%)になったとのことです。特に欧州や北米地域での認知度は7割を超えています。

photo ポケモングッズは世界中で人気(提供:ゲッティイメージズ)
photo 電通のキャラクター認知度調査(出典:電通報の記事

 任天堂ゲーム機発のコンテンツですが、現在はアニメ、映画、カードゲーム、各種グッズにまで事業を拡大しており、近年ではスマホアプリ「ポケモン GO」が世界的にヒットしました。

photo 「ポケモン GO」(提供:ゲッティイメージズ)

 米金融会社TITLE MAXが19年に発表した、世界中で人気のメディアミックス作品(さまざまな媒体を通して発売されるシリーズ作品)の総収益ランキングでは、ポケモンの収益額は累計約921億ドル(当時のレートで約10.1兆円)を記録しました。この数値はウォルトディズニーの「ミッキーマウス」「くまのプーさん」以上の収益額で、世界一のキャラクターであることが名実ともに証明されています。

photo Title MAXの調査結果

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.