キャンディハウスの方針として、ジャーミン氏が貫くのが「カスタマーファースト」の姿勢だ。
「ジャーミンは、『消費者にできるだけ安くテクノロジーを提供したい。それが起業家の使命だ』と話しています。その思想に基づき、セサミは新たなバージョンを発表するたびに販売価格を下げているんです」(西依氏)
西依氏が話すとおり、セサミは初代の1万4800円からどんどん値下がりし、最新のセサミ4は約3分の1の4980円(税込で5478円)となる。
類似製品で知名度が高い商品は2万5000円ほど、その他の類似製品も基本的に1万円を超えるモノが多いなか、なぜセサミはここまで安くできるのか。
「私たちが大切にしているのは、原点に戻るものづくりです。機械の設計はムダを省いて最大限スマートにする。すべてのサプライチェーンを自社で管理する。これらによって原価を下げ、競合より安い販売価格でも利益が出る構造をつくっています」(ジャーミン氏)
キャンディハウスでは、中国と台湾にある工場と直接取引を行い、中間業者を挟んでいない。加えて、発送作業やPRも自社で行い、社内には撮影用の機材一式や3Dプリンターがある。外注はほとんど発生しないそうだ。
Webサイトからは、できる限り消費者に対して真摯(しんし)に対応しようという姿勢も見られる。すべてではないが、消費者からの商品レビューに対して、ジャーミン氏が丁寧に返信コメントを書いているそうだ。
このようなカスタマーファーストの甲斐があってか、自社のYouTubeには、「好感度の高い社長さん」「CEO好きになりました」「この価格は衝撃」といった好意的なコメントが目立つ。製品だけでなく、会社自体のファンも多い印象だ。
同社には「100万人のユーザーを獲得し、消費者の信頼を得たい」という目標がある。これをいち早く達成するためにも、まずは購入のハードルを下げ、製品やブランドの認知度を高めることが先決だとジャーミン氏は話した。
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