顧客体験価値が高い企業ランキング 2位は「星野リゾート」、1位は？（2/3 ページ）

[秋月かほ，ITmedia]

2位「星野リゾート」

　2位は、前回1位の「星野リゾート」が獲得した。同社は、どの要素項目でも業界平均の約1.2倍以上のCXスコアを出していて、特に「いい気分にさせてくれる」顧客体験要素が昨年より伸びていた。なお「星野リゾート」と回答した人のうち、57%がノンユーザーだった。

　回答者からは「それぞれの施設でテーマが違いお客さまにワクワクやドキドキを提供している」（30代女性、ノンユーザー）、「非日常を楽しみたい気持ちをよく理解した施設の設計、フレンドリーでありながら丁寧な接客がよい」（60代以上女性、現ユーザー）といった意見があった。

「星野リゾート」の体験価値の5要素の業界別平均比・前年比増加幅

　3位には前回7位の「ANA」がランクイン。同社も2位の星野リゾートと同じく、どの項目も業界平均の約1.2倍以上のCXスコアを出し高い評価を受けている。

　回答者からは「地道に商品を作ったり、今は電気までやってるので、応援したくもなるし、サービスを受けていても気持ちがいい」（50代女性、現ユーザー）、「コロナ禍で減便された国際フライトに乗ったときに、乗務員が今までにないほど丁寧で親切な接客をしてくださった。ニュースでANAは人員削減を行うなど経営が苦しいことを知っていたので、非常に感動した」（30代女性、現ユーザー）といったコメントがあった

「ANA」の体験価値の5要素の業界別平均比・前年比増加幅

CXスコアの算出方法

　CXスコアは一般消費者に「顧客の気持ちや求めることをよく理解している」ブランドや企業をまず頭に思い浮かべてもらい、そのブランドについて「顧客が求める体験価値の5要素」（「Relevance／私向けのものだと思える」「Ease／ 私にとって意味がある」「Openness／オープンで、正直である」「Empathy／ 私の立場で考えてくれる」「Emotional Rewards／いい気分にさせてくれる」）を具体的な項目に分解した21項目を評価してもらう。

　同様に、「顧客の気持ちや求めることをあまり理解していない」ブランドや企業を思い浮かべ、そのブランドについても21項目を評価してもらう。以上の数字からなる合成変数としてブランドのCXスコア（-10〜、+10）を算出している。なお22年については、35人以上から想起されたブランドをランキングの対象とした。

顧客が求める体験価値の5つの要素

　次に今回のランキングで顧客体験価値を向上させた22ブランドについて、顧客体験の5つの要素がスコアアップにどう貢献したかを分析した。その結果、スコアアップのためには5つの要素の中でも特に「Empathy（私の立場で考えてくれる）」の寄与度が高いことが明らかになった。

CXスコア上昇22ブランドの体験価値5要素