さて、このクルマとんでもない。GRMNヤリスとは。例えばマクラーレンF1とか、ポルシェ935とか、ランチア・デルタシリーズのような伝説のクルマが、今この時代に突然新車で発売されたようなものである。言ってみればワークスラリーチームのスペアカーが新車でディーラーで買えるようなもので、こんなものが730万円とか850万円で買えるのは価格破壊である。10倍しても全くおかしくない。
実はこのGRMNヤリスは1月のオートサロンで発表され、すぐ予約が開始されたが、500台限定の枠は瞬殺。1万5000件の申込者から厳正なる抽選ということで、この記事を読んでから欲しいと思っても、後の祭りである。
で、筆者はいろいろと思うところがあるわけだ。これだけの歴史的にすごいクルマを作っておいて、販売方法はまるで素人ではないかと。500台しか作れないのはトヨタの都合。そのしわ寄せをまるっとユーザーに被せてどうするのだと。ということで後編は、プレミアムビジネスはどうあるべきかという考察へと進むのである。
→後編:トヨタはプレミアムビジネスというものが全く分かっていない
1965年神奈川県生まれ。1988年企画室ネコ(現ネコ・パブリッシング)入社。取次営業、自動車雑誌(カー・マガジン、オートメンテナンス、オートカー・ジャパン)の編集、イベント事業などを担当。2006年に退社後スパイス コミュニケーションズでビジネスニュースサイト「PRONWEB Watch」編集長に就任。2008年に退社。
以後、編集プロダクション、グラニテを設立し、クルマのメカニズムと開発思想や社会情勢の結びつきに着目して執筆活動を行う他、YouTubeチャンネル「全部クルマのハナシ」を運営。コメント欄やSNSなどで見かけた気に入った質問には、noteで回答も行っている。
トヨタはプレミアムビジネスというものが全く分かっていない(後編)
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