7月2日未明に発生したKDDIの大規模障害が5日、完全に解消された。今回の対応に関して、KDDIは同日夜、オンラインで記者会見を開き、大規模障害発生時にユーザーが取るべき行動や対処法をまとめたマニュアルが存在しないことを明らかにした。今後、再発防止策の策定とともに、ユーザー向けの周知が課題となりそうだ。
会見に出席した吉村和幸専務(技術統括本部長も兼務)によると、大規模障害発生時に関して、KDDI側の体制整備や店舗での周知方法などに関するマニュアルは存在するという。一方で「お客さまにこうして下さいなどと直接投げかけるような明文化されたものは現在、準備されていない」(吉村専務)とし「今後の対策の中でしっかり検討していきたい」と話した。
大規模障害発生に備え、ユーザー側では「デュアルSIM」「eSIM」などの仕組みを活用し、複数回線利用することによるリスク分散の必要性が浮き彫りになったものの、キャリア側で対策が練られていないことが明らかになった。ユーザー側の自発的な対応に期待するだけでなく、キャリア側でも対策を呼びかける必要がありそうだ。
これに加え、KDDIは大規模障害発生時のキャリア間の連携に関する覚書がないことも明らかにした。例えば5Gでは、KDDIとソフトバンクは2019年7月、基地局を相互に利用する「基地局シェアリング」を推進する方針を発表している。
こうした取り組みを踏まえ、緊急時にキャリア間で回線を融通する取り組みの実施について問うと、吉村専務は「災害時に回線を貸すという事例はいくつかある」とした上で「実際、大規模障害発生時にKDDIのユーザー向けに回線を他3社で融通してもらうのは、それなりのトラフィックになるため、現実的ではない」と否定的な見方を示した。ただ「今後の検討会の中で何ができるかしっかりと検討したい」とも述べた。
技術の進歩とともにサイバー攻撃が国内外で頻発している。例えば、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に抗議する形で、国際ハッカー集団「アノニマス」がロシア国内のインターネット回線を攻撃するなど、通信インフラはハッカーたちの攻撃対象となり得る。
今回はサイバー攻撃ではなかったものの、今後も同様の大規模障害が発生する恐れがある他、首都直下地震や南海トラフ地震などの自然災害でキャリア各社の通信網が寸断される可能性もある。
ユーザーの混乱を防ぐためにも今回の事象を単なる通信障害で済ませ、KDDI単体の再発防止策にとどめるのではなく、国内外の情勢を踏まえ、中長期的な視点での業界内連携が必要となりそうだ。
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