「セコマ」はなぜ、レジ袋無料を続けるのか トップが「これでよかった」と語る背景顧客満足度が最も高いコンビニ(2/4 ページ)

» 2022年07月12日 05時00分 公開
[大村果歩ITmedia]

レジ袋の無料配布を続けるワケ

 「常識的に考えて、コンビニでレジ袋を配布しないのはどうなんだろうかと考えた」――丸谷会長はそう話す。

 「スーパーは、消費者がショッピングバックを持っていく姿をイメージできますが、コンビニは財布だけを持って気軽に来れる場所だからこそ、わざわざショッピングバックを持って来る姿は想像しづらいと思います。案の定、コンビニのレジ袋有料化にはたくさんの批判が集まりました。有料化にしてお客さまに不便な思いをさせるのは、本来のプラ削減の目的から逸脱してしまっていると思います。また、セイコーマートの場合、他社と比較して客単価が高く、購入品数も多かったため、基準をクリアしたうえで、無料配布を継続する判断をしました」(丸谷会長)

セコマ セコマは30%バイオマス原料を使用したレジ袋を配布(公式Webサイトより)

 バイオマス原料の使用や、必要ではない場合にはレジ袋を配布しないようにしたことが功を奏し、レジ袋における石油由来のプラスチック総量を50%程度削減することに成功したという。

 「レジ袋が必要なお客さまは、本当に必要としているのです。コンビニで配布したレジ袋は、家庭のごみ箱の中でまた活躍します。今までコンビニが提供していたものを、お客さまが別の場所で購入しなくてはいけない状態を考えると、無料配布を続けてよかったと考えています」(丸谷会長)

セコマ コンビニのレジ袋は、家庭ではゴミ袋として活躍するのではないか(画像はイメージ、提供:ゲッティイメージズ)

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