丸谷会長は「セイコーマートは長年環境に配慮した取り組みを強化してきたからこそ、レジ袋の配布をしていても後ろ指をさされることはない」と話す。セイコーマートは段ボールの無料回収や、自社製品の紙パックや玉子パックの回収、リサイクルに注力してきた。回収した牛乳パックや玉子パックは、紙パックをリサイクルして製造した箱ティッシュと交換。回収率は60%を超えているという。
他にも、道内の農家と協業し、規格外のメロンを、アイスやジュースなどに利用するようにしてきた。これは食品ロスを減らすのが目的で、同社が近年強化していることだ。規格外メロンを使用したアイスクリームは好評で、今ではナシ、ブルーベリー、トマトなどでも同様の取り組みをしている。
今後は、食品ロス削減に向けた取り組みを強化するという。丸谷会長は「北海道大学と共同で、食品の鮮度をより長く保持するために、触媒を研究しています。北海道大学が開発した物質『プラチナ触媒』を用いて、野菜の鮮度保持の長期化を目指しています。実験により、『プラチナ触媒』を倉庫に設置し、一定の条件下で保管すると、野菜の腐敗速度を遅らせることができ、新鮮なまま長期間保存できることが分かりました。廃棄野菜を減らし、使える野菜を増やすことができるため、保管の状態で歩留まりが5%向上するというデータも明らかになりました。今後はこれらの活動を自社だけではなく、他社にも広げていきたいと考えています」と意気込んだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング