「NHK受信料不要」で爆売れ チューナーレスが変えた「テレビ」の意味知らないと損?業界最前線(3/5 ページ)

» 2022年07月14日 07時00分 公開

バズワードは「NHK受信料を払わなくていい」

 若者を中心としたテレビ離れにより、テレビチューナーを搭載しなくてもいいという考えが生まれている。さらにこの気持ちを後押しするのが、NHKの存在だ。放送法第64条には「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない」と定められている。ここでいう協会とは「日本放送協会」、つまりNHKを指す。

 NHKの受信料は、最も安い地上契約の12カ月で1万3650円。1カ月あたりの費用は1137.5円。これが「TVを持っている」だけでかかるわけだ。約3年間で4万円超とテレビ本体よりも高くなる。

NHKの受信料の一覧。Netflixのスタンダードプランよりは安い。なおイギリスのBBC放送もほぼ同額だが、TV所有の有無は関係なく一律徴収となっている(出典:NHK、NHK受信料のご案内

 これを渋った若者層がドン・キホーテのチューナーレス スマートテレビを「NHKに受信料を払う必要がないテレビ」として支持。そして、ここに市場があると判断した複数のメーカーが、こぞってチューナーレステレビを続々と発売している状況だ。

 例えば、ドウシシャが6月下旬に発売した「ORION Android TV搭載 チューナーレス スマートテレビ」は、24V型、32V型、40V型、50V型と4モデルをラインアップ。通常のテレビのようにサイズを選べる。ドウシシャによると販売も好調で、動画視聴の目的はもちろん、家庭用ゲーム機用のモニターとして使うユーザーも多いという。

ドウシシャのスマートテレビは、全国の量販店やホームセンターで通常のテレビと並んで販売されている(ドウシシャ提供)

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