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パワハラを根絶するために知るべき“5つのポイント”働き方の「今」を知る(8/8 ページ)

» 2022年07月18日 07時00分 公開
[新田龍ITmedia]
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5.パワハラが発生する根本原因から解決せよ

 「職場のいじめ・嫌がらせ、パワーハラスメント対策に関する労使ヒアリング調査」(独立行政法人労働政策研究・研究機構)によると、パワハラが起こる背景や原因にはさまざまな要素が絡み合っており、中でも「過重労働とストレス」「職場のコミュニケーション不足」「管理職の余裕のなさや教育不足、マネジメント能力不足」「成果主義や業績向上圧力」などの影響が大きいとされている。まさに仕事柄労働環境が劣悪な「ブラック企業」と通じるところがあるのではなかろうか。

ハラスメント発生の背景・原因と考えられるもの、職場のいじめ・嫌がらせ、パワーハラスメント対策に関する労使ヒアリング調査(独立行政法人労働政策研究・研究機構)より

 一方で、ハラスメントとは無縁な「雰囲気の良い会社」ならどうだろうか。そういった組織はおしなべて業績が好調であり、そのため従業員のマインドにも余裕が生まれ、コンプライアンス意識を高めることにもお金を使えるし、無理な働かせ方をせずとも十分な報酬を用意できることから、必然的にコミュニケーション力やマネジメント力にも優れた人材が集まる、という好循環が生まれているのだ。

 当然ながら優れた上司であれば、自らの成功体験をロジカルに説明して部下に再現できるため、暴言や脅迫などのハラスメント的手法に頼らずともマネジメントを遂行できる。もちろん、パワハラなどとは一切無縁だ。

 すなわち、パワハラがまん延している企業の多くは、もうかっていないが故に低賃金で目標ばかりが高くなり、みな心の余裕がなく、当然コンプライアンスは後回しだ。

 そうなるとまともな人材は採用できず、営業成績を上げただけで自動的に上司となり、部下を動かすにもパワハラ的な言動しかできない……という悪循環となってしまうものと考えられる。

 パワハラが発生する根本原因は「もうかるビジネスを営めず、コンプライアンスを確保できるほどの余裕が持てない経営者とマネジメントの問題」といえるだろう。心しておきたい。

著者プロフィール・新田龍(にったりょう)

働き方改革総合研究所株式会社 代表取締役/ブラック企業アナリスト

早稲田大学卒業後、複数の上場企業で事業企画、営業管理職、コンサルタント、人事採用担当職などを歴任。2007年、働き方改革総合研究所株式会社設立。労働環境改善による「業績&従業員満足向上支援」、悪意ある取引先にまつわる「ビジネストラブル解決支援」、問題社員・ブラックユニオンに起因する「労務トラブル解決支援」を手がける。またTV、新聞など各種メディアでもコメント。

著書に「ワタミの失敗〜『善意の会社』がブラック企業と呼ばれた構造」(KADOKAWA)、「問題社員の正しい辞めさせ方」(リチェンジ)他多数。最新刊「クラウゼヴィッツの『戦争論』に学ぶビジネスの戦略」(青春出版社)


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