THE MATCH 2022が示したPPVビジネス成功の条件  日本のエンタメを変えるか経済アナリストが分析(5/5 ページ)

» 2022年08月16日 05時00分 公開
[森永康平ITmedia]
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コンスタントに盛り上がる対戦カードを組めるか

 ビジネスとして持続可能性を高めるのであれば、毎月それなりの対戦カードを複数用意し続けなければならない。だが、残念ながら現状の日本の格闘技業界では、それはまだ厳しい状況にある。那須川天心と武尊の“世紀の一戦”は、7年間両者が積み上げたストーリーがあったからこそ、ここまでの盛り上がりを生んだ。

 Yogibo presents THE MATCH 2022は、団体の垣根を超えたからこそアンダーカードの多くが魅力的なものとなったのだ。再び各団体がそれぞれで対戦カードを組めば、どうしても見劣りする内容となってしまう。

 着実に格闘技業界におけるPPVビジネスは実績を残している。格闘技業界がこれらの課題を克服しながら、いずれはまた地上波が放映権を欲しがるほどの盛り上がりをみせること、再び大みそかに視聴率が40%を超えるような夢のカードが目白押しとなることを願う。

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著者プロフィール

森永康平(もりなが こうへい)

株式会社マネネCEO / 経済アナリスト。証券会社や運用会社にてアナリスト、ストラテジストとして日本の中小型株式や新興国経済のリサーチ業務に従事。その後はインドネシア、台湾、マレーシアなどアジア各国にて法人や新規事業を立ち上げ、各社のCEOおよび取締役を歴任。現在はキャッシュレス企業のCOOやAI企業のCFOも兼任している。日本証券アナリスト協会検定会員。著書に『スタグフレーションの時代』(宝島社新書)『MMTが日本を救う』(宝島社新書)や、父・森永卓郎との共著『親子ゼニ問答』(新書/ KADOKAWA)がある。 Twitter:@KoheiMorinaga


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