コメダ珈琲店の自由回答には、「メニューのボリューム」「居心地の良さ」といった一見機能的な要因が多く並んだ。しかしそれが「自分がそのブランドを選ぶ意味や価値」「きれいごとではなく、顧客と真摯に向き合い、真に信頼できるブランド」との評価に結びついていることがうかがえる。
コメダ珈琲店は「心にもっとくつろぎを」をミッションとして掲げ、くつろぎの秘密としておいしさや居心地の良さに対するこだわりを示している。そうした考え方が店舗創りにつながり、顧客体験としての評価向上に貢献しているのではないか。
次に、スターバックスコーヒーを見てみよう。
スターバックスコーヒーへの自由回答から推測される特徴としては、店頭での体験に加え、その背景に企業活動としての姿勢や信念が感じられることが挙げられる。それは、長年にわたり、同ブランドが積み上げてきたイメージが人々の記憶に深く刻まれ、なかなか店舗での体験がしにくいコロナ禍であっても、久しぶりに行きたい場所として想起されたと考えられる。
マクドナルドの自由回答からは、豊富な新商品ラインアップや時代に合った提供方法など、常にブランドが時代の流れや顧客の期待に合わせて進化している点を評価する傾向が見られた。それはメニューだけではなく、価格面やおもちゃなどのサービス、オーダーの方法とブランドと顧客の接点全域にわたるようだ。一つ一つは機能面の評価ではあるものの、それが総体としての体験につながっていることで、「常に進化して顧客を飽きさせない」という情緒的な印象を形成している。
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