――今後の貴社の展望をどう考えていますか?
まずはファイトマネーの問題を解決したいです。そのために、全国のボクシングジムの経営者に、当社がプラットフォーマーとして、こういう事業を手掛けていることを伝えていきたいですし、知ってほしいと考えています。現在270の加盟ジムがあります。
もう一つあります。昔の世界戦は、地上波でメインの試合しか放送していませんでした。あとは「前座」扱いだったのです。私はこの「前座」という言葉が好きではありません。全員にスポットライトを当てたいのです。
そうすることによって選手たちのモチベーションも上がっていきます。視聴者にとっても、選手を早い段階から追いかけることによって、感情移入できるようになります。結果的に、イベント全体のブランド価値も上がっていくのです。
ABEMAさんは5時間、全ての試合を生中継してくれます。だからABEMAさんとタッグを組みました。8月14日が、私にとってのスタートなのです。今後、3年間の計画は全て立てています。興行を年間で何回するのかを考え、その収支予想も立てています。予算から最終的な営業利益まで全てシミュレーションしています。
ただその上で、私は会社の人間に「利益は残すな」といっています。利益を残したらいいものは作れないからです。選手により還元しなければなりません。今は先行投資期間です。
――最終的には何を目指していますか?
この仕組みを作ることによって、若い人にとって「ボクシングをやりたい」「ボクシングは稼げる、有名になれる」「ボクシングはカッコイイ」と思われる業界にしたいと考えています。私がいま、この仕事をできるのも、ボクシングのおかげだと思っています。だからボクシングへ少しでも恩返しができればと考えています。
井上尚弥選手は特別ですが、今、ボクシング選手の大半は稼げていないのが実情です。チャンピオンでも稼げていない選手もいます。この背景には、今のボクシングビジネスの構造上の課題があると考えています。これを改善しないといけないのです。そのためのプラットフォームを私は作ろうとしています。プラットフォーマーとして、ボクシング業界を「再興」させたいと真剣に考えています。
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