政府や組織委、東京都、そして五輪開催を翼賛したメディアがことあるごとに喧伝していた「東京五輪のレガシー(遺産)」という言葉がある。これは、五輪開催によって東京や開催国である日本が長期にわたり享受できるとされた「社会資本」「経済的恩恵」「文化的財産」のことであり、そのレガシーがあるから五輪は開催するべきだ、という主張であった。
そうした彼らの思惑とは裏腹に、1年が経過し、目立つのは、負の遺産ばかりではないか。東京五輪開催のために新設された競技会場は上記のレガシーのうち、社会資本に分類される。開催に向け、東京都は恒久施設として「東京アクアティクスセンター」(競泳)、「海の森水上競技場」(ボート)、「有明アリーナ」(バレーボール)、「カヌー・スラロームセンター」(カヌー)、「大井ホッケー競技場」(ホッケー)、「夢の島公園アーチェリー場」(アーチェリー)の計6施設を新設した。
東京都が17年4月に公表した「新規恒久施設の施設運営計画」によると、有明アリーナは国内外のスポーツ大会に加え、コンサートなどのイベント利用で、年間3億5600万円の黒字運営になる見込みだ。
一方、他の5施設は赤字になる見込み。内訳はアクアティクスセンター(6億3800万円の赤字)、海の森水上競技場(1億5800万円の赤字)、カヌー・スラロームセンター(1億8600万円の赤字)、大井ホッケー競技場(9200万円の赤字)、夢の島公園アーチェリー場(1170万円の赤字)だ。
これら5施設に共通するのは、有明アリーナと異なり、施設の利用用途がスポーツ利用に限定されるという点だ。このため、収入を得るには大会の開催か、地域住民向けの一般開放くらいしか手段がない。
アクアティクスセンター以外はマイナー競技の施設のため、大幅な利用者増が見込めないという点も共通点として挙げられるだろう。競技人口が少ない競技にとっては、これらの施設は未来のメダリストを育成する場として一定の意義はあるかもしれないが、きれいごとだけでは難しい現実がある。
都が整備した施設以外では、新国立競技場も年間運営費が25億円近くかかるが、肝心の運営主体がいまだに決まっていない。運営主体が決まらなければ、その間の運営費は税金で賄われるため、実質的には赤字である。国民に社会資本を残すどころか、恒久的に莫大な赤字を産み続ける施設を残すことになっているのだ。
ソニーの「着るエアコン」“バカ売れ” 猛暑追い風に「想定以上で推移」
抗原検査キットには「体外診断用医薬品」を──消費者庁が注意喚起 「『研究用』では新型コロナ感染チェックできない」
タイガーとサーモスの「炭酸対応ボトル」、猛暑で販売好調 節電ニーズも追い風に
コロナ禍ならでは? Zoffの「薄色レンズ」サングラス、販売好調の理由
銀だこ、3年ぶりに「たこ焼き」88円セール 「銀だこの日」&25周年で、各店先着88人限定
“ナメクジ事件”で話題の「大阪王将」への保健所検査、抜き打ちじゃなかった 理由は?
餃子の王将「大阪王将の運営元とは別会社」 “ナメクジ事件”でレビュー荒らしの被害に
“ナメクジ騒動”の大阪王将、衛生検査の店舗別結果は「開示しない」 理由は?
日よけ設置に補助金──「日本一暑い街」埼玉県熊谷市の暑さ対策事業がユニーク
ダイキンが推奨するエアコンの風向きは? 節電のコツは「温度ムラの抑制」
連日の猛暑、売れ筋の暑さ対策グッズは? ロフトに聞いた
テレビ朝日、家庭の電力使用量グラフから「テレビ」削除で物議 「丁寧さに欠けていた」
野村総研、「テレビ消せばエアコンの1.7倍の節電効果」レポートに注意喚起 「11年前とは家電の性能が異なる」Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング