そうした東京五輪の印象を決定的に悪くしたのが、読売新聞が7月20日付けで報じた『五輪組織委元理事 4500万円受領か 東京大会スポンサーAOKIから 東京地検捜査』スクープ記事である。前述した元組織委理事の高橋治之氏に対する、東京地検特捜部による強制捜査だ。
報道によれば、18年に五輪オフィシャルサポーターとなったAOKIから、2億円以上の賄賂を受けていたのではという疑惑を持たれている。元電通専務でもあった高橋氏は、招致段階でもIOC(国際オリンピック委員会)の複数の理事を買収したのではという疑惑があり、フランス検察が現在も捜査している。
AOKIと五輪の関係性を改めて整理しておくと、同社は18年10月、組織委と「五輪オフィシャルサポーター契約」を締結。「ビジネス&フォーマルウェア」カテゴリーのスポンサーとなり、日本代表選手団の公式スーツの作製を受注していた。
スポンサー企業の特権である、グッズ販売でも「東京2020オリンピックエンブレム ストレッチウォッシャブルスーツ」が、選手のメダルラッシュなどもあり、前年比で10倍の販売数を記録。業績にも貢献していた。
現在報じられているのはAOKIを巡る贈収賄容疑だが、高橋元理事らの逮捕で、招致時からうわさされる“黒いカネ”の流れが一気に表沙汰になり、五輪利権に絡んでいた政治家にまで捜査が及ぶ可能性もある。こうしたことから東京五輪はすでに「負のレガシー」で火だるま状態にある。
東京五輪を語るにあたって、最初に触れなければならないのは、その巨額の開催費である。6月21日に組織委は経費総額を1兆4238億円と発表。21年末の予算見通しよりも292億円減らしたと強調した。
これは、招致計画で示された7340億円のほぼ倍であったが、最終報告書ではその責任について一切触れられていなかった。
そうした点に加え、報告された経費の内訳について第三者が閲覧・調査できないことに批判が集中した。組織委は「公益財団法人」だったため、詳細を明らかにする義務を負わないためだ。
ただ、東京五輪に費やされた金額は、実は1兆4238億円どころでは済まない。次回は組織委最終報告の欺瞞と、隠されている真の開催費総額について解説する。
広告代理店の旭広告社(横浜市)は、AOKIが日本オリンピック委員会(JOC)に対し、契約金として10〜30億円を支払い、オフィシャルサポーターの座を射止めたと推定している。
グッズ販売による収益などで、すでに契約金額分は回収しているかもしれないが、今回の逮捕が株価動向や、これまで積み上げてきた同社への信頼に影響することを考えると、長期的にみれば、その代償は大きかったといえるだろう。今後の捜査で“カネの流れ”がどこまで明らかになるか、そして、AOKI側と高橋氏がどこまで説明するかに注目が集まりそうだ。
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