──近年のタレントマネジメントのトレンドを、オラクルはどう見ていますか。中でも、人事はどのような取り組みをすることが重要だと考えているでしょうか。
ハブリラ氏: 2つの大きなトレンドがあり、私たちオラクルの投資戦略にも影響を及ぼしています。
まず1つは、従業員エクスペリエンスです。従業員のモチベーションが上がり、スキル進化につなげてもらうために、社員組織のイノベーションを起こしていくのです。
2つ目は、仕事が、言わばマーケットプレイスのようになってきていることです。
過去においては、職種や仕事、役割といった単位で物事が考えられていましたが、最近はよりスキルや能力に考え方がシフトしています。世界が非常に速く変化していること、競合他社の脅威や優秀な人材に対するニーズの高まり、イノベーションを達成しなければならないこと、そして慢性的な労働力不足によって、こうした変化が生まれました。役割ではなくスキルの単位を中心に据えて、タレントマネジメント施策を行うのだという意識が高まってきています。
また、社員一人一人のスキル開発のみならず、社内組織内の流動性も高める必要があります。このため、オラクルの製品では、マネジャーがサイドプロジェクトを実施する際に、社員が入札できる機能を用意しています。社内で新しくサイドプロジェクトを実施する必要があるが、ただそれだけのために専任の人間を採用する余裕はないケースでも、関心を持つ人たちが手を挙げて、本来のポジションや仕事から少し離れて、そのプロジェクトに参加します。このような活用によって、新たなスキルを身に付ける機会になります。
従業員エクスペリエンスの重視と、役割からスキルへというこの2つのトレンドは、お互いとても関連が強いと私たちは考えています。そのため、オラクルは社内のスキルデータを蓄積し、自律的な学習・開発を後押しする『Oracle Dynamic Skills(オラクル ダイナミック スキルズ)』や、従業員エクスペリエンス向上のための『Oracle ME(オラクル ミー)』に投資しています。
──タレントマネジメントの取り組みを考える際には、どんな形で社内の連携体制を作るのが望ましいのでしょうか。
ハブリラ氏: より高い成果が得られたケースでは、やはり人事部とIT部門が連携し、さらにビジネス側と経営陣を巻き込んでいます。
どんな組織でも、やはりビジネスの課題やニーズがあるはずです。その中には必ず、人材の課題もあります。ですから、人の専門家である人事部と、テクノロジーの専門家であるIT部門が主導して、ビジネス(事業)のニーズに基づいて進めていくことです。
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