仕事は1人ではできない “お願い下手”から“お願い上手”になる3つのコツ(3/3 ページ)

» 2022年09月13日 06時30分 公開
前のページへ 1|2|3       

お願いしやすい関係を作っておく

 人に協力をお願いする時に、「迷惑をかけるのではないか」と思っていませんか。だとしたら、お願いしやすい関係を作っておいたほうがいいでしょう。実は、関係性には5つの段階があります。「警戒」から「安心」、そして「親しみ」、さらには「信用」、「信頼」への5段階。「親しみレベル」の関係で満足するのではなく、「信頼レベル」の関係を何人と結んでいるかを意識しておくことです。

photo お願いしやすい人を作っておくことが重要(提供:ゲッティイメージズ)

 信頼関係を結ぶために、やることは簡単です。日頃から、「見返りを求めない」行動を取ることを考えてください。Give & Takeで言うなら、& Takeを求めない行動をどれだけ取っているかで、その人の信頼残高が決まってきます。

 例えば、困っていそうなら声をかける、弱っていそうなら力になってあげる、時には、差し入れをするのも効果的でしょう。そんなことです。

 人は敏感です。必ず、あなたの行動の意図を見抜こうとします。しかし、そこに見返りがないとしたら、いかがでしょう。今度は相手が力になりたいと思うはず。多くの人と信頼関係を結ぶためにも、見返りを求めない行動を積極的に取っておきたいところです。

photo (出典:『無駄ゼロ、生産性を3倍にする 最速で仕事が終わる人の時短のワザ』)

情報の共有を“はしょらない”

 人にお願いをする時は、小さなことでも必ず共有しましょう。人は情報を知らされていないことを知った時、必要以上に詮索します。「軽く思われている」「家来じゃないぞ」などと、思わぬ確執に発展することも少なくありません。もし、「後で伝えるつもりだった」ということであれば、ちょっと不注意です。

photo 情報共有は重要(提供:ゲッティイメージズ)

 鉄則は報告と一緒。「一部だけでもOK。情報共有は拙速に」です。ささいな情報でも、早く相手の耳に入れる。相手が「そんなこと共有しなくてもいいのに」と思うようなことであっても、共有しましょう。1分でメールを書いて送るだけで済むことです。

 実は、私にも失敗がありました。営業時代のこと、お得意様の部長のご機嫌を少し損ねてしまったのです。部長のご厚意で社長と名刺交換をさせていただきました。その後、その社長からまったく別の相談を受けたのですが、特にその部長には報告をしていませんでした。

 それが失敗。「最近、何しているの」と不安の表情を示されたのです。内容は言わずとも、会社に来ていることは報告するべきでした。確かに面倒なんですが、こじれると、もっと面倒。その対応には時間がかかるかもしれません。ささいなことこそ、共有をしておきましょう。

photo (出典:『無駄ゼロ、生産性を3倍にする 最速で仕事が終わる人の時短のワザ』)

著者:伊庭 正康(いば・まさやす)

株式会社らしさラボ代表取締役。1991年リクルートグループ入社。法人営業職として従事。プレイヤー部門とマネジャー部門の両部門で年間全国トップ表彰4回を受賞。累計40回以上の社内表彰を受け、営業部長、(株)フロムエーキャリアの代表取締役を歴任。2011年、研修会社(株)らしさラボを設立。リーディングカンパニーを中心に年間200回を超えるセッション(営業研修、営業リーダー研修、コーチング、講演)を行っている。実践的なプログラムが好評で、リピート率は9割を超え、その活動は『日本経済新聞』『日経ビジネス』『The21』など多数のメディアで紹介されている。Webラーニング「Udemy」でも営業スキル、リーダーシップ、時間管理などの講座を提供し、ベストセラーコンテンツとなっている。

代表作に『できるリーダーはこれしかやらない』(PHP出版)、『メンバーが勝手に動く最高のチームをつくる プレイングマネジャーの基本』(かんき出版)など。YouTubeやVoicyでも情報を発信中。

公式Webサイト:らしさラボ公式Webサイト

Twitter:@Coping_coach

公式YouTubeチャンネル:研修トレーナー伊庭正康のスキルアップチャンネル

Voicy:1日5分 スキルUPラジオ

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.