この記事は、『無駄ゼロ、生産性を3倍にする 最速で仕事が終わる人の時短のワザ』(伊庭正康著、明日香出版社)に掲載された内容に、編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。
どんな組織でも、何かを起案する際は、必ず稟議を通す必要が出てきます。その際に必要なのが「根回し」です。
「根回しなんて、まどろっこしい。そんなものは不要だ」という意見を聞くことがあります。しかし、そんなにイージーに稟議が通る会社は少ないもの。部署によって利害が一致しないこともあるでしょうし、優先順位が人によって異なるからです。根回しは、優秀な人材を目指すなら、絶対に避けて通れない「稟議を通すテクニック」です。
ある企画を会議で提案しても通すことができないと、また企画を作り直さないといけません。ましてや、やり直しても通すことができなければそれまでの何時間、いや何十時間がムダになるのです。それを防ぐためには、根回しによって上司を動かして、事前に利害調整をしなければなりません。組織で仕事をするには、根回しは絶対に行うべきなのです。
会議で提案が通る人と通らない人の差は何でしょうか。理由の1つに「根回し」をしているかどうかがあります。予期せぬ質問に翻弄されることがあるとしたら、「根回し」が足りないのかもしれません。利害関係者は1人ではなく複数です。全員の賛成を取り付けるのは、そう一筋縄でいくはずがありません。
知る人ぞ知る方法を紹介しましょう。「決裁者」「反対者」「賛成者」の3人に、事前に話をしておいてください。これだけで随分と稟議は通しやすくなります。
具体的には、「決裁者」には、あらかじめ意見を伺い、判断のポイントを把握する。そして「反対者」には意図と熱意を伝えた上で相手の妥協ラインを確認しておく。「賛成者」にはその場で「賛成意見」を言ってもらうお願いをしておく。これで予期せぬ反論の炎は、かなりの部分で予防できます。
稟議の半分は、「根回し」で決まります。少し面倒ですが、結果的には時間短縮につながります。稟議をサクッと通せる先輩になっておきたいものです。
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