東急バスのEV自動運転バス 当面の目標は「路線バスの先」にある杉山淳一の「週刊鉄道経済」(3/8 ページ)

» 2022年09月18日 07時17分 公開
[杉山淳一ITmedia]

 1つ目の「すすき野小学校前」交差点を左折した道に小学校と中学校がある。小学校の前に横断歩道があり、信号機はない。団地側は配達業者のトラックやワゴン、ごみ収集車が停車する。

 2つ目の「すすき野中学校前」を左折した道は全43棟1578戸の虹ヶ丘団地とたまプラーザ駅方面を結ぶ道。この区間はバス路線がないけれども、スーパーマーケットや温浴施設を利用するクルマたちがたくさん通る。

すすき野小学校へ向かう上り坂。この先に横断歩道がある
小学校前の道路は制限速度時速30キロメートル。自動運転バスの最高速度は時速19キロメートル。この赤い後続車はバスを追い越さなかった
付近には実証実験を告知する看板が立てられた。周辺の自治会長、小中学校には告知済み。試乗時は小学生がこちらに手を振っていた

 3つ目の「荏子田2丁目交差点」を左折すると、東急グループが開発した戸建て住宅地域になる。この道は北へ進んで尻手黒川道路につながり、新百合ヶ丘方面に通じる。南はショッピングモール、さらには国道246号線と東名高速横浜青葉インターチェンジへ通じる。したがってマイカーなど自動車交通量が多い。

 道路はすべて片側1車線、一辺の道を除き、三辺の道路の中央線はすべて白、後続車は低速な自動運転バスを追い越し可能だ。狭いエリアながらアップダウンが多く、実験コースは上り坂2つ、下り坂3つ。坂の頂上までは前方の見通しも悪く、上りきる直前まで対向車が見えない。

 必要以上に詳しく書いたかもしれない。なぜなら、ここは奇しくも私の自宅から徒歩10分ほどの地域だから。「た41系統」は私がふだん使うバス路線だし、実験コースは私が散歩で歩き、スーパーと往復する道のりだ。だからこそ、ここで実験を行う意味がよく分かった。

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