今回の実験では、交差点では信号の色に関係なくいったん停止すると決めており、運転士がスタートを指示する。また、路上駐車車両を避ける場合も手動運転に切り替えた。時速19キロメートルだから、後続車に追い越される場面もある。その場合も前方に割り込まれると停止し、スタート操作するまで動かない。
レーダーセンサーは一定距離内の「障害物あり」「障害物なし」だけを判定しており「遠ざかっていく」という認知はできない。この点については「高価なセンサーを使えばできます」、信号についても「警察に協力してもらい、信号制御装置から電波を発信してもらえば青で発車できます」とのこと。今回は実験の内容とコストに見合った仕様のようだ。
今回の自動運転は、障害物がない状態のアクセル、ブレーキ、ハンドル操作のみ。完全自動運転ではなく、市販のレーダークルーズコントロール車にハンドル操作機能を追加した程度かもしれない。
東急は今年8月1日から7日まで、静岡県掛川市で行われた自動運転レベル3の実験に参加した。そこでは遠隔操作を含めた完全自動運転を実施し、一般希望者の試乗も行われている。今回の実験はそれに比べるとレベル2で、少し後退しているように見える。初めて実験する場所で安全性を優先した結果だ。
東急と東急バスは今回の実験で得られたデータを踏まえて、22年度内に遠隔監視設備を設置した実験を実施し、一般希望者の試乗を実施する予定だ。時期は未定。場所も変更する可能性があるというけれども、できれば同じ場所で開催してもらい、時計回りルートも実施し、進化を比較したい。
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