2023年10月のインボイス制度スタートに向けて、請求書の受領サービスへの参入が相次いでいる。9月20日に「ペイトナー請求書」をスタートしたペイトナーもその一つだ。
紙の請求書をスキャンしてアップロードしたりPDFを取り込んだりして、情報をAI-OCRによって取得。支払いが必要な請求書をデータ化するというのは、先行する各社のサービスと同じ。異なるのは、従業員が数十人以下といった小規模事業者だけをターゲットとしている点だ。
ペイトナーの野呂祐介COOは、「ターゲットが違えば、まだ競合がいない。小規模事業者向けで普及しているものはほとんどない。必要な機能は仕訳ではなく、支払いの部分で困っている」と話す。
競合サービスは、インボイス制度への対応や会計ソフト連携時の自動仕訳などを特徴としているが、税理士に仕訳を依頼するのがほとんどの小規模事業者の場合、ニーズは違うところにある。それが、請求書に基づいての支払い業務だ。
通常、小規模事業者ではこうした支払いはインターネットバンキングを用いて1件1件手で作業することが多い。ペイトナー自身でも「振込業務をすべて手でやっていたが、額の桁を1つ間違えて大騒ぎになったこともあった」(坂井優CEO)というように、負担の大きい業務だ。
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