「攻撃的なお局」にどのように接すればいいのか トリセツを聞いた“沼る”ビジネスパーソンの共通点(3/3 ページ)

» 2022年09月21日 08時00分 公開
[大村果歩ITmedia]
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お局と出会ったら、どう行動すべきか

――もしお局と出会ってしまったら、私たちはどのように対処すべきなのでしょうか?

川村: 同じ組織にいるとなかなか難しいですが、必要以上に近づかない、話さない。どうしても話をしなければならないときは、とにかく話を早く切り上げることが重要です。また、プライベートの個人情報を与えないことも大切です。お局は常に自分がどこで優位になれるかを気にしているため、恋人の有無、結婚しているか、持っている物などを根掘り葉掘り聞いてきます。そういった情報を与えないことは、お局と境界線を引くことにもつながるので、個人情報は与えないようにしましょう。

お局 お局と出会った時の対処法

――では、もし部下にお局がいたらどのように対処すべきなのでしょうか?

川村: 嫌がらせやいじめはすごく見えにくく、気付くことは簡単ではありません。「いつ、どこで、誰に、何をやられたか」を逐一メモに取り、記録することは有効です。そして、お局の存在、被害の実情にすぐに介入し、職場環境の調整に取り組みましょう。

 また、管理職がお局に“現実”を伝えていくことが重要です。お局は感情的で現実検討ができない人が多く、理想の自分に逃げ込んでいく傾向があります。仕事の結果や周囲からの評価を偽りなく伝え、現実を伝え続けましょう。「自分が変わらなきゃいけない」とお局自身が思うことができたら、お局が変われるかもしれません。

 お局は仕事ができるから見逃されてきたケースも多くあります。仕事ができていても人に意地悪をして良いわけではない、という意識を持ってほしいですね。

お局 お局が部下にいたときの対処法

――最後に、私たちが今後お局にならないために気を付けるべきことを教えてください。

川村: 自分らしく、自信をもって生きることに尽きると思います。自分にとって心地よいことを考え抜き、それを尊重する生き方をすることが大切です。お局になっていない人の傾向として、会社の同僚や知人、家族など周囲の人間の意見を聞いて、自分も尊重すべきだと思い込んでいる人が多い気がしています。自分の軸をもって、「自分は自分」と、他者と比較することなく過ごしてほしいですね。

川村佳子(かわむら・けいこ)

北海道生まれ。一般社団法人日本産業カウンセラー協会認定「産業カウンセラー」。日本人間性心理学会所属。上智大学グリーフケア研究所所属。防衛省、国土交通省、財務省をはじめ、国立機関や一般企業にて産業カウンセラーとして臨床経験を積み、現在航空自衛隊外部カウンセラー。幼少期に母が他界。亡母が闘病中に書き記していた日記を見つけ、職場での人間関係の悩みやストレスを驚くほど抱えていたことを知る。さらに、日本で初めてカウンセラー制度を導入した機関にて母が勤めていたことをきっかけに、職場のストレスや人間関係の悩みを抱えている方たちの力になりたいと強く思い、産業カウンセラーを志す。また、死別の苦しみや痛みをケアする「グリーフケア」の普及啓発にも積極的に取り組む。心理臨床オフィス「サクラメント函館東京カウンセリングオフィス」代表。著書に『嫉妬のお作法』(フォレスト出版)がある。


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