アレンジしやすい食材や調味料を多数扱うことから、亜州太陽市場では、自宅で料理をつくる機会が多いファミリー層をメインターゲットと据えている。そのターゲットにリーチしやすい場所として、吉祥寺、千歳船橋、浜田山を選んだという。
「1号店を出店した吉祥寺は、ファミリー層が多く住んでいることに加え、多国籍のレストランが点在しているなど、多様なライフスタイルを受け入れるカルチャーが根付いている印象が決め手となりました。90年代に起こったエスニックブームの火付け役も吉祥寺であり、こうした基盤がある街だからこそ、本場のアジアの味に関心を持ってくれる方が多いのではないかと期待しています」(刑部氏)
吉祥寺店は、オープンからまもなく1年が経過しようとしている。観光地として訪れる人が多い街であることから、韓国の麺類や菓子など日本でもよく知られている商品が多く売れているそうだ。
吉祥寺ほどの売上規模ではないものの、22年7月にオープンした浜田山店もまた、似たような売れ方をしている。浜田山駅を出て目の前にあることもあり、通りかかった一見客が「ちょっと見てみよう」と入店し、定番人気の商品を買っていくようだ。
ところが、22年7月にオープンした千歳船橋店は、他の2店と売れ行きが大きく異なると店長の下沢さんはいう。
「韓国の商品がよく売れる吉祥寺店、浜田山店と比較して、千歳船橋店は韓国商品の売り上げが低く、タイやベトナム、インドネシアといった商品の売上構成比が2倍ほどに。調味料も他店比較で異常値といえるぐらい人気です。客単価の上昇も目立ち、オープン月と比較して9月中旬現在、約130%に伸びています」(下沢氏)
この結果から、千歳船橋店では近隣住民がリピーターとなり、レアな調味料や定番ではない商品にも関心を抱き始めていると予想される。
「3店舗で共通しているのは、売り上げの大部分を占める客層が30〜40代の女性であること。全店合計の売上構成比で、約60%をこの層が占めます。売れ行きの差は商圏の差の表れだと考えていて、吉祥寺の商圏が10〜15キロメートルに対し、千歳船橋は約2キロメートルです。扱う商品はどの店舗も同じですが、仕入れる商品の割合は大きく変える必要がありますね」(下沢氏)
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