そして、それは裏を返せば、スノーピークがそれだけの熱狂的なファンをつくることに成功した証でもあるのだ。よく言われることだが、アンチとファンは表裏一体だ。独自のポジションを築いてファンが生まれれば当然、アンチも生まれる。強烈に嫌われるようなブランドでなければ、強烈に愛されるようなブランドにはならないのだ。
それはスノーピーク自身もよく分かっているはずだ。決算資料「2022_2Q|Result」には、他ブランドと比較した自分たちの強みをこのように分析をしている。
『アウトドア業界全般的には、急な人気化への対応の中で各ブランドでの在庫量を急激に増やしたことで、一時的な需給のゆるみが発生しセールを行うブランドも増加
上記の中で、ブランド別での優勝劣敗を徐々に確認。当社ブランドは品質や価格戦略の面で他社と比べてユニークなポジショニングになっていることから、優位性は高いと認識しており、卸先からのヒアリングでも他社比でセルスルーが進展している模様』(P19)
ユニークで優位性があるということは「出る杭は打たれる」を体現しているわけだ。そういうブランドは当然、アンチが山ほどいるのでボロカスに叩かれる。つまり、スノーピークというのはもともと「アンチが生まれやすいブランド」であって、そのような“出る杭感”こそが、このブランドの唯一無二の強みでもあるのだ。
そう考えると、会社に対しての誹謗中傷などに対する法的措置はあまり得策ではない。筆者は個人が個人に対して行う誹謗中傷やデマは厳しく対処すべきと考えるが、「法人」に対して個人が悪口やデマを流したことで、法的措置を取るのは難しいという立場だ。
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