リテール大革命

「90秒ラーメン」は広まるのか 米国からやって来た自販機のミライ週末に「へえ」な話(2/5 ページ)

» 2022年10月09日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

わずか「90秒」でラーメンがでてくる

 日本で本格的に動き始めた理由は、3つある。(1)米国と違って、日本は自販機が普及していること(2)ラーメンが好きな人が多いこと(3)食べた人の評価が高いこと、である。22年3月、羽田空港第2ターミナルに1号機を、首都高の芝浦パーキングエリアに2号機を、それぞれ設置することに。

 当時、同社の創業者兼CEOのアンディー・リン氏はこのように語っていた。「22年は500台の設置を予定している。今後数年で5000〜6000台の展開を目指す」と。

 創業者が掲げた「5000〜6000台」がどのくらいの規模なのかよく分からないので、国内で自販機を展開しているヤクルト本社の台数を見てみよう。

 19年3月末時点で、7万600台である。街中を歩いていて、ヤクルトの自販機を目にすることはそれほど多くはないが、それでも7万台を超えている。ということはヨーカイの5000〜6000台も難しくないのでは? と感じるが、現状はどうなっているのだろうか。

 設置台数を紹介する前に、話をちょっと変える。ラーメン自販機を運営しているヨーカイ社は16年、米国のシリコンバレーで産声をあげた。米国では54カ所で設置していて、これまでに20万食以上提供している。日本では自社のオリジナルラーメン4種(いずれも790円)を中心に展開しているが、米国ではラーメン以外にも丼もの、パスタ、カレー、デザートなど50種以上のフードを販売しているのだ。

米国のシリコンバレーで生まれた(出典:ヨーカイ社のFacebookページ)
米国で提供しているラーメン(出典:ヨーカイ社のFacebookページ)

 自販機の中はどうなっているのかというと、ラーメンの場合、スチーム調理などを行うことで、わずか90秒ほどで出てくる。設置場所は会社、学校、空港、工場、病院など。

 米国の場合、「ランチを食べるために、ちょっとそこまで」といっても、移動に時間がかかることが多い。そうした人たちにとって自販機は便利のようで「今日はちょっと時間がないので、ランチはヨーカイで」といったケースが増えているようだ。

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