リテール大革命

「90秒ラーメン」は広まるのか 米国からやって来た自販機のミライ週末に「へえ」な話(4/5 ページ)

» 2022年10月09日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

ユニークな取り組みが進む

 目標台数は大幅に修正していて、日本事業を担当している土屋圭司さんによると「年内に30台、2〜3年以内に数百台の設置を見込んでいる」という。

 機械の不具合が見つかったのに、強引に台数を増やせば、オペレーションが回らなくなる恐れがある。そうなってしまえば、大変な事態になることが考えられるので、台数を抑えたことは賢明である。では、売り上げはどうだったのだろうか。

 「1日に1台当たり100食の販売を目指す」という話だったが、羽田空港と首都高芝浦PAでの売り上げは、30食ほどにとどまった。その背景に、なにがあったのだろうか。

 試食した人からは「意外においしい」という声が多かったわけだが、それはリップサービスだったのかもしれない。否。新型コロナの感染拡大を受けて、自販機を設置している空港の第2ターミナルでは夜間の出入りが禁止されたり、パーキングエリアではルーレット族の取り締まりがあって、深夜帯に閉鎖されたり。

 想定していた時間帯に稼働できなかったこともあって、厳しい船出となってしまったが、ヨーカイは黙って指をくわえていたわけではない。次に、どんな手を打ったのだろうか。

一風堂博多とんこつラーメン
IPPUDO プラントベース(豚骨風)ラーメン

 9月、力の源カンパニーが運営する「一風堂」とのコラボ商品を開発した。看板商品の「一風堂博多とんこつラーメン」と、完全植物性のビーガンラーメン「IPPUDO プラントベース(豚骨風)ラーメン」(いずれも980円)を提供している。また、テーブルマークの主力商品「冷凍うどん」を活用した商品開発も進めている。

 自社のオリジナル商品だけにとらわれず、「今後も他社と手を組んで、どんどん新しい商品を開発していきたい」(土屋さん)という。

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