有名観光地などにお住まいの方ならば分かるだろうが、飲食店で地元の常連と観光客に支持されるのはかなり難しい。地元の常連客でごった返すような店は、一見の観光客にとってはちょっとハードルが高く入りづらい。逆に、観光客で行列ができるような店は、地元の常連はあまり居心地がよくないので足が遠のいてしまう。
だが、ラッピはそれを見事に「両立」させている。なぜ可能なのか。
いくつかの店舗を実際に回ってみて、人気メニューを食べてみて感じたのは、徹底した「反フランチャイズ」だ。マックやモスという大手チェーンの勝利の方程式と、あらゆることが「逆」でそれを突き詰めているのだ。
メニューひとつとっても大手チェーンはスケールメリットを生かして、原料を安く調達して効率化を進めた結果、品質のいいものを安く提供することを目指している。
このようなプランチャイズの方法論とラッピは真逆の戦略をとっている。スケールメリットを生かそうという気もないし、低価格や効率をそれほど追い求めていないのだ。
ハンバーガーひとつとってもそれがよく分かる。マクドナルドの場合、おいしいと評判の月見バーガーのセットは660円でかなりコスパがいい。通常のビッグマックを重ねてボリューム満点の倍ビッグマックセットは810円だ。そして、これだけコスパのいいものを、短時間で提供できるのがマックの強みだ。
それに対してラッピはどうかというと、例えば、チャイニーズチキンバーガーは380円(税抜き、以下同)。ポテトにミートソースをかけた「オリジナルラキポテ」は350円、これらにソフトドリンクを付けたセットは750円で、店内で食べると825円になる。
もちろん、チャイニーズチキンバーガーはボリューム満点で食べ応えはあるが、「安い」というほどではない。これはラッピが原料の地産地消ということにこだわっていることが大きい。
そして、提供まで時間もかかる。ラッピはカウンターで注文をしてから、席に案内をしてもらって、そこで商品が配膳されるのを待つというスタイルなので、混雑している場合は普通の飲食店以上に待つ場合もある。これも注文を受けてから唐揚げをあげたり、てごねのパテを焼いたり、「出来立て」にこだわっているからだ。
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