これを上回る損失を被ったのは、いわゆる「SOXL」投資家だろう。SOXLとは、Direxion社が運用するICE半導体指数をベンチマークにおいたETFで、そのレバレッジ比率はレバナスや他の一般的な2倍のレバレッジ型商品よりもさらに高い3倍の日次値動きを示す金融商品だ。
SOXLの価格は22年の頭に72.10ドルであったが、10月14日には6.93ドルの安値をつけ、わずか10カ月で脅威のマイナス90%超えを果たした。同期間で急速に進行した円安・ドル高により、円建てで見た評価額でいえば幾分か傷口は浅くなっているであろうが、そもそもの価値が9割減となっていることから、ほんの気休め程度の押し上げ効果にしかなっていない。
仮に22年の頭、SOXLに300万円を投じていたとしたら、足元では円安の効果を加味してもせいぜい40万円程度にしかならない。レバレッジ型の投資信託には、これまでの連載で取り上げた減価や繰上召喚をはじめとしたさまざまなリスクが存在しているが、やはり日次の値動きに対して何倍ものレバレッジをかける点が最も大きなリスク要因といえるだろう。
SOXLが元の値段に戻るには、原指数のICE半導体指数が最低でも現在の値段から3倍以上にならなければ厳しいだろう。レバレッジなしであればICE半導体指数が年初からの30%下落を取り戻して133ドルまで戻れば収支がトントンになる。しかし、10分の1に下がったものを1に戻すためには、10倍のリターンが必要だ。つまり、SOXLが原指数の3倍の値動きをするとしても、最低3.3倍以上の値上がりが損益分岐点となる(そして、その価格に達するまでの期間が長くなるほど必要となる倍率は上がる)。
さらにSOXLが年初来高値を超えるためには、原指数のICE半導体指数が年初来高値の133ドルから2倍以上となる270ドルまで、できるだけ短期で株価が急騰しなければならない。しかし、足元の高金利状況を踏まえると近い将来にそのようなイベントが起こるとは言い難いのではないだろうか。足元のドル高・円安も無限に続くわけではないことを考えると、円高が米国株のレバレッジ型投資信託における運用成績に追い打ちをかけるリスクもある。
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