70年の悲願、「新金線旅客化計画」の現在杉山淳一の「週刊鉄道経済」(1/6 ページ)

» 2022年10月22日 08時00分 公開
[杉山淳一ITmedia]

 東京都で新線計画が進んでいる。2022年3月28日に江東区の悲願、東京メトロ有楽町線延伸の鉄道事業が許可された。同時に東京メトロ南北線の白金高輪〜品川間の鉄道事業が許可されている。

 9月20日に大田区の悲願、新空港線(蒲蒲線)について、大田区と東急電鉄が第三セクター設立の協定を結んだ。早ければ10月中にも設立する予定だ。

 また東京都は9月30日、多摩都市モノレールの上北台〜箱根ヶ崎延伸について計画素案を策定し、10月18日から25日にかけて住民説明会を開催している。都内で唯一、鉄道駅を持たなかった武蔵村山市に4つの駅ができる。これも武蔵村山市の悲願だった。

 東京都にはまだまだ「悲願」が残っている。例えば多摩都市モノレールについて、町田延伸、八王子延伸の沿線は開通を願っているし、練馬区も大江戸線の大泉学園町延伸を願っている。

東京都で実現が近づいた路線(地理院地図を筆者が加工)

 そしてもう1つの悲願が葛飾区にある。「新金線旅客化計画」だ。

 新金線は総武本線の新小岩駅と常磐線の金町駅(いずれも東京都葛飾区)を結ぶ貨物専用線だ。正確には総武本線の支線として、小岩駅(東京都江戸川区)と金町駅を結ぶ。総武本線の分岐点が新小岩駅付近にあるため、新小岩の「新」と金町駅の「金」をとって新金線と呼ばれている。その由来から「しんかねせん」と呼びたいところだけど「しんきんせん」だ。

新金線は貨物専用線(出典:写真AC)
新金線の位置(地理院地図を筆者が加工)
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