発想は単純とはいえ、すぐに製品化できたわけではない。素材の選定、設備導入などの稟議を重ね、21年春にテスト販売するまでに2年弱の月日を費やしている。
「フィルターには、クリーミングパウダーが外にもれず、お湯に入れたときにスムーズに溶け出る絶妙な通気性が求められます。クリーミングパウダーは、溶けやすく、かつ紅茶の香りを残したまま適度な甘みやコクが感じられるものでなければいけません。相当数の施策を重ねて、ベストを追求しました」(竹田氏)
パッケージにはAI解析を用いた。膨大なデザインデータをもとに、デザインの「好意度」や「コンセプトの伝わりやすさ」などを示すものだ。同シリーズは、ティーバッグ紅茶のメイン購入者層より若い、30代女性をメインターゲットに据えた。とはいえ、優先したのは“分かりやすさ”で、どんな商品か直感的に分かるパッケージ、ネーミングとした。
21年8月30日に発売したところ、想像以上の反響に。21年8月、「ミルクとけだすティーバッグ」の発売を紹介した一般ユーザーのTwitter投稿には1.6万件の「いいね」が、翌9月には実際に飲んだ感想をつづったTwitter投稿に10万件の「いいね」が付いた。
10万いいねの反響はすさまじく、日東紅茶のSNS分析によれば、21年10月に一気にTwitterでの関連投稿が増えた。同時にメディアでの露出も増え、認知度が広がった。一方で、商品の供給体制が整わず品薄になっていたため、買えない人も多くいたようだ。
結果的に、22年3月時点で予想売上の3倍を達成。4月以降も好調を維持している。あまりの反響に、コンビニからも供給依頼があったほど。現在は、3大コンビニ(セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン)でも販売している。
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