9月、イオングループのドラッグストアチェーン、ウエルシアホールディングスは、イオン九州との合弁会社イオンウエルシア九州を設立したことを発表した。
イオン九州は総合スーパー事業者であり、その生鮮を含めた食品の売場作りとウエルシアのドラッグ+調剤を統合した、いわば「生鮮フード&調剤ドラッグ」の業態を展開する事業会社となる。
既に両社は合同での実験店舗で成果を出しており、その店舗は以前、食品スーパーとドラッグストアの共同出店であったところを、この実験店に変えて、食品売り上げが2割アップ、ドラッグ部門が5割アップとなったという。
ウエルシアとしては、こうした結果を踏まえ、この新業態を2030年までに200店舗、売上高1800億円にするという目標を立てているというのだから、かなり鼻息は荒い感じなのだが、これには背景がある。九州のドラッグストア市場は、宿敵コスモス薬品(以下、コスモス)の牙城だからである。
ドラッグストア業界のランキングでいえば、ウエルシアはここ何年かツルハとの激烈なトップ争いの結果、ドラッグストア初の1兆円越えを達成し、少し引き離したところ。マツキヨココカラという大型再編も今期見込みでもそこまでは届かない(図表1)。
コスモスはその下の4位で、今期売上予想でも約8100億円。1兆1000億円を見込むウエルシアからしたらかなり差があるように見えるのだが、コスモス薬品には恐れられるだけの理由がある。コスモスの8000億円の売り上げは純然たる新規出店のみで達成されたからである。
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