前回取り上げたかっぱ寿司の一件とともに回転寿司業界を騒がせたのが、業界のトップ「スシロー」のよろしくない話題です。寿司ネタキャンペーンを巡るおとり広告問題に始まり、生ビールキャンペーンでも同様の問題が発覚。さらには、“マグロ偽装”問題も取りざたされました。
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前回かっぱ寿司の一件を取り上げた際に業界の悪しき文化の話に触れましたが、スシローに関してはその文化に加え、以前からその経営と資本に関してさまざまな騒乱があり、個人的にはこれが根っこの部分で一連の問題にも関係しているとみています。スシロー問題の根源を、特異な社歴により形作られたであろう独自の経営姿勢から探ってみましょう。
まず一連の「事件」のおさらいです。事の始めは6月、ウニ、イクラなど高級ネタの「目玉商品」としてうたいながら十分なネタの用意がないままキャンペーンをスタートさせ、相次ぐ品切れに多くのクレームが寄せられた、との問題が発覚しました。
おそらく公正取引委員会(公取委)へのタレコミが発端だったのでしょう。消費者庁は本件を「おとり広告」の疑義ありとして措置命令を出しました。
そのほとぼりも冷めぬ翌月に、今度は生ビール半額のキャンペーンポスターを店頭に掲出したものの実はキャンペーン開始前の予告で、生ビールは定価代金を徴収していた店が複数あった、という問題が判明。キャンペーン開始後には、前回同様に十分な用意がなく、すぐに品切れになった店舗が続出したといいます。
これに追い打ちをかけるように9月上旬に起きたのが、マグロ疑惑です。「メバチマグロを使っています」とPRされたマグロの巻物に使われていたのが、味の薄いキハダマグロだったというもの。これには同社が、「メバチを使っているのはニギリで、広告表示に対する誤解」との見解を表明しています。
これら一連の「事件」が果たして意図的な「確信犯」であったか否かは、当時者のみが知るところではありますが、立て続けに表沙汰になったことからは、これまでも見えないところで同様の事象が起きていた可能性も考えられます。
今までは、取るに足らない店頭での小さなトラブルレベルで済まされていたものが、ウニ、イクラの一件が大々的に報道されたことで、「そういえばこんなこともあった」「これもその類じゃないか」といった告発の連鎖が生まれ、第2・第3の「事件」が表に出てきたのではないかと思うのです。
踏み込んだ言い方をすれば、3件の「事件」は当事者が意図的であったかないかにかかわらず、単なる一過性の事故ではなくスシローの経営姿勢に起因したものではないかと考えられるということです。
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