良品計画(MUJI無印良品 以下、無印)は11月17日、売場面積約1200坪で関東最大級の板橋南町22店をオープンし、マスコミやSNSで大きな話題となった。
その広さ、商品構成、飲食テナントなどが、テレビ取材などでも取り上げられていたが、業界関係者の間では、別の意味で大きな関心を集めているはずだ。
この店は都内の東京有明店、銀座店に次ぐ大型店舗だ。特筆すべきはそんな旗艦店を、ターミナルでもなく、大型商業施設の中でもない、住宅地のスーパーの隣地に出したということだ。「そんな立地が成立するのか?」という点でとても興味深い。
これまでの無印の店舗は、大半が大都市圏のターミナル商業施設内に出店しており、地方、郊外ではロードーサイドの大型ショッピングモールといった広域商圏を対象とする商業施設内の店舗がほとんどであった。
これは無印が「MUJIの世界観」を基軸とした品ぞろえ、店作りを提供し、その世界観に共感する一定割合の消費者の支持を得てきたということに大きく関係している。
この消費者はあくまで“一定割合”であるため、共感してくれる消費者の来店客数を、店舗の損益分岐点を超えて確保するためには、広域商圏から薄く広く来てもらえる集客力を持った商業施設に居る必要があったのだ。
その点、今回の板橋南町22店はこれまでの立地とは大きく異なる。そこに旗艦店クラスを投入するというのだから、かなりチャレンジングであるといっていいだろう。
これまである程度実績がある広域商圏型商業施設ではなく、食品スーパー隣地の住宅地で大型店実験を行うのはなぜなのか。
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