このAIモデルを活用する第一のメリットは、コストと時間の大幅な削減だ。AIモデル社では、50着の衣装を着たモデル画像が15万円〜と、従来のモデル撮影と比較して破格の値段で提供できる。谷口氏によれば、従来50万円かかる1日の撮影コストが15万円に下がった実例があり、最大約70%のコストカットが見込めるとのこと。画像の納期は、膨大な量でなければ3〜4日だという。
このほかにも、AIモデルならではの活用メリットが多くあると谷口氏は主張する。その1つが、年代や人種の異なるモデルによるABテストの実施が容易になることだ。
すでにAIモデルを導入している企業の効果検証では、客層と年代が近い40代のモデルよりも、客層より若い30代のモデルを起用したときのほうが、ECサイトの売り上げが高かった。そこで、今ままでは客層にマッチする40代モデルを採用していたが、30代のモデルに切り替えることにした。同社は、次に人種の異なるAIモデルを活用してABテストを実施するという。
国内で見つけづらい外国人モデルもAIなら自在に採用できる。外国人の入国が制限されていたコロナ禍では、より外国人モデルを使いづらい事情があったが、そういった課題も解消できる。
とはいえ、AIモデルは知名度もなければファンもいない。リアルのモデルのようなブランディングやPR効果の創出は期待できない。この点について谷口氏は、「広報としてSNS発信をするなど、AIモデルが実在する人物のように振る舞うことで、知名度が向上したり、ファンが付いたりすることが考えられる」と話した。実際、AIモデルに広報のような役割を任せたいと考えている企業もあるそうだ。
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